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映画「おくりびと」で命の重さをを思う。 [映画]

アカデミー外国映画賞に輝き、凱旋上映と銘打った

「おくりびと」(滝田洋二郎監督)を観た。

「納棺師」という人間としての終焉を司る大切な仕事ながら、

人々に忌避され、軽蔑され、友人を失い、家族からさえ

嫌がられる職業とみられている。

社長のアシスタントが「隙間産業」だと称していたが、

案外金になる仕事ではある。

新婚間もないチェロ奏者が、1、800万円もするチェロを買って、

さあ、これからと言う時に、所属のオーケストラ楽団が突然解散

となり、呆然自失の状態で、今は空き家となっている、ふるさと

山形夫婦で帰ったところから物語が始まる。

仕事がない夫婦が求人チラシで「旅関係」の文字に誘われ、

雇い主を訪ねると、有無を言わさず採用。

驚くほどの高給を示され、よく聞けば「旅立ち」つまり「納棺屋」だった。

妻に仕事の内容を話せないままに、強引な社長に流されて、

ついつい実績を重ねてしまう。

腐乱遺体の処理、自殺、交通事故、など訳あり人生の終焉の儀式を、

訳ありの「納棺師」が一人一人の人間の命の尊さを悼む所作を取り

仕切って行く。

殆ど例外なく遺族には感謝され、主人公の心のなかで崇高な仕事

だとの認識に昇華されていく。

冬の風景がよく似合う山形の美しい風光と優しい人柄の中で、

人間の愛憎が織りなされる。

全編にチェロの穏やかで暖かな音色が流れ、この作品の質の高さと

奥の深さが感じられる。

自分が捨てられたという憎しみの対象でしかなかった父を、

異境の地で自ら納棺する数奇な巡り合わせで、薄幸赤貧孤独だった

父の手に固く握りしめられていた「いしぶみ」から、幼い頃の記憶が

蘇って親子の絆を取り戻し、心の中で和解する。

観ていて、死体臭や線香の香りが漂って来るような迫真性がありながら、

雪の中から吹き出す若芽のような爽やかさが残り、伊丹十三の

「お葬式」とはまた異なった秀作であった。

主演の本木雅弘とその妻広末涼子を支える山崎 務、吉行和子など

助演陣の熟達に感服した。

命・死を見つめ直す2時間に、人間の尊厳を思い起こさせられた。

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